コウモリはいつ、どこで冬眠する?冬に見つけた時の対処法も
2021.11.29更新
コウモリ駆除の専門家が丁寧に教えます!
冬の時期、「部屋にいきなりコウモリが入ってきてびっくりした」なんて経験のある方がいらっしゃるかもしれません。
コウモリって冬眠しないの?冬の時期ってコウモリはどこにいるの?などなど、さまざまな疑問が浮かんできますよね。
コウモリはエサ不足となる冬の時期を生き延びるため、11月の半ば頃から3月にかけて冬眠に入ります。
都市部や住宅地でよく見かけるアブラコウモリは、民家を冬眠場所として選び、春までじっと体力を温存しているんです。
しかし気候や種類によっては、冬眠をしなかったり、途中で目覚めて活動したりすることも。
この記事では、コウモリが冬眠する理由や時期、場所などを詳しく紹介します。
コウモリの駆除についても解説するので、ぜひ参考にしていただけたら幸いです。
※みんなのコウモリ駆除屋さんでは、1年を通して駆除対応を受け付けています。家に入ってきたコウモリの追い出しも対応しているので、お気軽にご相談ください。
コウモリは生き延びるために冬眠する
通常、哺乳類が冬眠することはめったにありません。
哺乳類は気温の変化があっても体温を保つことができる「恒温動物」なので、気温が低下しても問題なく活動できるからです。
実際に、亜熱帯などに生息する大型のコウモリは冬眠をせずに冬を越します。
しかし日本に生息するコウモリの多くは、冬の時期に冬眠します。
冬眠はエサ不足の冬を生き抜く戦略
コウモリが冬眠するのは寒さに弱いからではなく、エサが不足する冬を生き延びるためです。
日本に生息するコウモリは主に蚊・ヨコバイなどの小さな昆虫類をエサとしているため、冬になると昆虫類が少なくなって深刻なエサ不足に陥ります。
そんな時期に通常通り活動すると、エネルギー不足となって命を落としてしまうんです。
エサ不足の冬を生き延びるためにも、秋頃から体に脂肪を蓄え、体内の脂肪量が十分に蓄えられると冬眠を開始。
冬眠のあいだはじっと動かずに、蓄えたエネルギーを使って生き延びます。
冬眠は、コウモリが長生きするために行う生存戦略とも言えるんですね。
コウモリの冬眠はほぼ仮死状態
冬眠中のコウモリは、ほとんど仮死状態といっても過言ではありません。
コウモリが冬眠している時の体の様子はこちら。
- 体温は外気温ほどまで低下
- 心拍数は活動時の10分の1
- 呼吸は1分に1回(1時間も呼吸停止する種も)
どうでしょう?とても省エネですよね…!
数ヶ月のあいだじっと生きながらえるためには、このように活動を抑制する必要があるんですね。
また、この状態を維持するためには気温の低い方が都合がよく、冬眠場所もそのような環境を選ぶコウモリが多いです。
冬眠の場所は種によってさまざま
日本には34種類のコウモリが生息しており、その冬眠場所は種によってさまざまです。
たとえばテングコウモリ属のコテングコウモリは、普段のねぐら(枯れ葉や樹洞)から移動し、雪の中で冬眠することが確認されています。
※参考:雪中で冬眠するコウモリを日本で確認 ―ホッキョクグマ以外でははじめて―(国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所)
またキクガシラコウモリ属のキクガシラコウモリは3度〜10度くらいの場所を好み、洞窟の入り口〜中央付近を冬眠場所とします。
それぞれ生存のために、時には普段住みついているねぐらから移動してまで最適な冬眠場所を見つけているんですね。
では、おもに私たちが住む地域に生息するアブラコウモリはどこで・どのように冬眠するのでしょうか。
住宅地に生息するアブラコウモリの冬眠時期・場所
冬眠の時期:11月半ば頃から3月頃
アブラコウモリの冬眠の時期は、11月半ば頃から3月頃までです。
気候によって変動はありますが、気温が急に低下してくる時期から冬眠を行います。
また最近では、温暖化の影響などで冬眠をしないアブラコウモリもいるようです。
寒さが厳しくない環境であればエサとなる昆虫も豊富なので、冬眠をせずとも冬を越せるというわけなんですね。
冬眠の場所:屋根裏や瓦の下
アブラコウモリ冬眠の場所は、屋根裏や瓦の下、壁の隙間などです。
普段のねぐらと冬眠場所を分ける種も少なくありませんが、アブラコウモリは普段からねぐらとして住みついている場所をそのまま冬眠場所として使用します。
夏のあいだ家の周りでコウモリを頻繁に見かけたという方は、「最近見ないな…」と思っても要注意。
その場所を出て行ったわけではなく、そのまま静かに冬眠している可能性が高いです。
もし夏に姿をよく見た・よく小さなフンが落ちていたという方は早めの駆除を検討してみてもいいかもしれません。
個体によっては冬眠の途中で活動することも
冬の時期に冬眠するアブラコウモリですが、個体によっては中途覚醒して活動することもあります。
また、先ほどお伝えしたように冬眠しないケースもあるため、冬であっても「急に家に入ってきた」「気付いたら部屋にいた」といったハプニングが発生するんですね。
ちなみに、コウモリは鳥獣保護管理法によって勝手に触ること・捕獲することが禁止されています。
そのため、もし見かけても「捕まえて追い出す」といったことは現実的ではありません。
家の中に入ってきてしまったら外に出ていくのを待つか、私たちのようなコウモリ駆除業者に連絡して追い出してもらいましょう。
冬眠中のコウモリは駆除しやすい?
アブラコウモリは冬の間、民家の屋根裏や瓦の下などでおとなしく冬眠しています。
となると、おとなしい冬のうちに自分で駆除しようかな?と考える方もいるかもしれませんね。
しかし冬の時期は、実はコウモリ駆除の難易度が上がってしまうんです。
冬眠中は動きが鈍く、コウモリを追い出すのは難しい
コウモリは勝手に捕獲・殺傷することを禁止されているので、駆除となると基本的には「嫌がるニオイ」のする忌避スプレーなどで追い出すようになります。
(コウモリの駆除方法について詳しくはこちらをご覧ください)
先ほどもお伝えした通りコウモリはほぼ仮死状態で冬眠しているので、忌避スプレーへ反応しにくく動きも鈍いです。
そのためお金と時間をかけたのに駆除できなかった…となる可能性が高く、ご自身で駆除作業を行うのはあまりおすすめできません。
また、コウモリの駆除はフンを掃除して侵入経路を塞ぐまでが1セットです。
すべてのコウモリを追い出せないまま侵入口を塞ぐと、春になって目覚めたコウモリがそのまま餓死してしまうリスクも。
もしすぐにでも対処してほしいという場合は、私たちみんなのコウモリ駆除屋さんにお気軽にご相談ください。
部屋の中にいる1匹のコウモリの追い出しから住みついた群れの追い出しまで、経験を積んだスタッフが迅速に対応いたします!
自力でのコウモリ駆除に適している時期は春
もし自力でコウモリ駆除をしたいという場合、ベストタイミングは春です。
夏に近づくとコウモリの繁殖が始まり、コウモリの赤ちゃんがたくさん生まれます。
夏にコウモリの追い出しを行っても、まだ飛ぶことのできない赤ちゃんのコウモリはその場に取り残され、餓死する可能性が高いです。
コウモリの死骸に害虫がたくさん集まってくるなど二次被害が起こるケースもあるので、自力駆除をするのであれば春を狙うことをおすすめします。
家に住みついたコウモリを放っておく危険性
「冬のあいだはおとなしいみたいだから、放っておいてもいいかな」
「なんだか可哀想な気もするし…」
冬のあいだは活動しないとなると、今すぐ対処しなくてもいいかな?なんて気もしてきますよね。
しかし、家に住みついてしまったコウモリをそのまま放っておくのはさまざまなリスクがついて回ります。
自力駆除は春の時期がベストとはいえ、春が来るまで放っておくのもなかなか危険性が高いんです…!
フンの被害が拡大する
家に住みついたコウモリを放っておくいちばんのリスクは、コウモリのフンによる被害です。
コウモリは排泄の頻度が多い生き物で、毎日大量にエサを食べて何度もフン尿を排出します。
集団で屋根裏や瓦の下に住みつくため、何十頭ものコウモリが同じ場所に大量に排泄することになるんですね。
コウモリに限らずではありますが、排泄物にはさまざまなバイキンが含まれます。
このような不衛生な状況を放っておくことで新たに害虫が侵入するなど、被害が拡大していく可能性も。
体調に影響をもたらすリスクもあるため、早めに対処する方が安全なんです。
建物の老朽化が起こる
住みついたコウモリをを放っておくと、大切なお家にも被害をもたらすことがあります。
先ほどもお伝えしたようにコウモリは同じ場所に大量に排泄するため、お家の木材や天井に排泄物が染み出して腐食が進んでいくケースがあるんです。
実際に、天井にシミができてコウモリ被害に気づいたという方もいらっしゃいました。
最悪の場合、リフォームが必要になることもあるので注意が必要です。
対処は早ければ早いほどお金もかかりにくいので、気づいた&見つけたタイミングで駆除を検討しましょう。
まとめ:冬の時期にコウモリを見つけたら駆除業者へ
コウモリはエサ不足の冬を乗り越えるため、民家の屋根裏などを利用して冬眠します。
ただし途中で目覚めて活動したり、冬眠しない個体がいたりするため「突然部屋に入ってきた!」なんてことが起こるケースもあるんです。
何度もお伝えしていますが、コウモリを勝手に捕獲するのは法律で禁止されています。
ご自身で追い出すことが難しい場合は、コウモリ駆除業者を呼んで追い出してもらうのがおすすめです。
また冬の時期に1匹のみ見かけたような場合は、近くに集団で冬眠している可能性が考えられます。
コウモリ被害が不安な方は、専門の駆除業者に一度相談してみましょう。
私たちみんなのコウモリ駆除屋さんでは、コウモリの追い出しと合わせてフン掃除や再発防止策も対応しています。
ご相談や現地調査は無料ですのでお気軽にご相談くださいね。
この記事を監修したコウモリ駆除の専門家
石田 充(いしだ みつる)
コウモリは空を飛び、冬眠する珍しい哺乳類です。冬の時期は活動が目立たないため気付きにくいですが、もし住みつかれているのであれば早めの対処が必要です。
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